担当者が退職・休職するときや、他のASPサービスに引越しをするときなど、ネットショップの運営には“引き継ぎ”が発生することがあります。
では、引き継ぎをおこなうときに必要なこととはなんでしょうか?
本記事では業務の引き継ぎとデータの引き継ぎのふたつに分けて、引き継ぎの方法をご紹介します。
目次:
業務の引き継ぎ
- 引き継ぐ業務の範囲を明確に
- 期間には余裕を持つこと
- マニュアルを作成しよう
データの引き継ぎ
- ネットショップの引っ越し方法
- データをアップロードする
- 引き継ぎできないデータとは
まとめ
○業務の引き継ぎ
ネットショップ運営の引き継ぎ作業をおろそかにしていると、後任者が困るだけでなく、最悪の場合、会社の利益損失にもつながります。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がありますが、ではどうやって引き継げば誰もが気持ちよく前に進めるのでしょうか?
●引き継ぐ業務の範囲を明確に
ネットショップの運営をひとりでおこなっていたとしても、後任者に対してそのまますべての作業を引き継ぎしてしまうことはおすすめしません。一連の業務を教えたつもりになっていても、どうしても抜けや漏れが出てくることも多くなります。
まずは誰に何を引き継げばいいのか、業務の範囲を明確にしましょう。自分の業務をすべて細かくリストアップすると良いですね。
特に前任者が幅広い業務を担当していた場合は、複数の人に協力を願い、作業を分担しましょう。商品登録や受注確認などの事務作業はAさんに、撮影やデザインなどのクリエイティブはBさんに、といったように、適性のある人に割り振ることができればベストです。
●期間には余裕を持つこと
前任者が退職や休職で会社を離れる場合、退任後の業務に支障が出ないように100%引き継ぎを完了しておく必要があります。それだけでなく、後任者がひとりでもしっかり業務をこなせるようサポートをしなければいけません。
そう考えると、引き継ぎ期間が1〜2週間しかないのはリスキーです。できれば3〜4週間の期間を設け、業務を教えてから独り立ちできるまでをしっかり見届け、安心して退任できる体勢を整えておきましょう。
●マニュアルを作成しよう
誰が担当しても一定のクオリティを保った業務ができるのが、本来目指すべき運営体制です。属人的な運営体制から抜け出すには、マニュアルを作成するのが良いでしょう。
マニュアルがあれば前任者が会社を離れても、後任者はマニュアルに沿って業務を遂行できます。急な退任で引き継ぎ期間に余裕がなくても「詳しくはマニュアルで」と伝えることも可能です。
ただしマニュアルの情報が古くては意味がないので、業務のやり方が変わればその都度マニュアルも更新しましょう。
○データの引き継ぎ
ネットショップ運営に慣れてくると「手数料が安いASPサービスに引っ越したい」「多機能のASPサービスを利用したい」といった希望も出てくるもの。実際に引っ越しをするときに必要なのが、データの引き継ぎです。
ここでは引っ越しのやり方やデータ引き継ぎの方法をご紹介します。
●ネットショップの引っ越し方法
ネットショップの引っ越し方法は5つあります。
- レンタルサーバーに無料ソフトを入れて引っ越し
- レンタルサーバーにCMSを入れて引っ越し
- レンタルサーバーと制作会社を利用して引っ越し
- ASPサービスにデータ移行をして引っ越し
- ASPサービスに代行サービスを利用して引っ越し
初めての引っ越しなら、時間と費用のバランスが取れた「ASPサービスにデータ移行をして引っ越し」がおすすめです。ASPサービスによっては、前のURLをそのまま使える場合もあるので、SEOもそのまま引き継げます。
●データをCSV化・アップロードする
引っ越しをおこなうには、商品データや顧客データを新しいASPサービスに移行しなければいけません。とはいえ、膨大なデータを一つひとつ手作業で移行するのは時間がかかります。
まずは商品データ・顧客データを旧ネットショップからCSVファイルとしてダウンロードし、新しいASPサービスにアップロードしましょう。あとは新ネットショップの説明やデザインを設定すれば、準備完了です。
●引き継ぎできないデータとは
中には、新しいASPサービスにそのまま引き継ぎできないデータもあります。会員のパスワードや決済情報などです。パスワードや決済情報はどは、引っ越し後に会員に一斉メールを送信し、再設定してもらわなければいけません。
また会員IDやメールアドレスなどが重複している場合、重複したデータが移行できない場合があります。移行作業をはじめたら重複データを洗い出し、統廃合する必要があります。
これは会員やユーザーに手間をかけてしまうことになるため、大切なリピーターを失う恐れもあります。ただ、そうしたデメリットよりも、新しいサービスに移行することでのメリットが勝る場合は、思い切った行動に出ても良いのではないでしょうか。
○まとめ
業務の引き継ぎ作業やネットショップのデータ移行作業は、やや面倒に感じるかもしれません。しかしどちらも、怠ると重大な損害が発生する可能性があるので注意してください。
引き継ぎ後もスムーズにネットショップを運営できるように、引き継ぎ作業には真摯に取り組んでいきましょう。