ECサイト(ネットショップ)で商品を販売するときに欠かせないのが、商品のプロモーションです。しかし、商品の魅力を伝えようと思って書いた宣伝文句が、誇大広告として問題視されてしまうことも。
この記事では、広告に関する規制や気を付けたいポイント、NG事例集を紹介します。トラブルに巻き込まれないようにするためにも、ネットショップ運営をしている人はぜひ目を通してみてください。
目次:
ECサイトを運営するなら知っておきたい規制やガイドライン
宣伝文句やプロモーションのNG事例集
NG表現を避けるための3つの注意点
まとめ
〇ECサイトを運営するなら知っておきたい規制やガイドライン
最初に、ECサイトを運営するなら知っておくべき規制を3つ紹介します。広告の仕方ひとつとっても細かい決まりがあるので、要点をしっかり押さえておきましょう。
- 薬機法(旧・薬事法)
薬機法とは、医薬品や化粧品などの品質・有効性・安全性を確保することを目的とした法律です。主に化粧品や健康食品、医薬品など、私たちの身体に関わる商品を販売するときは、薬機法に違反しないよう注意しましょう。
断言しなくても、効果を誤解させるような表現も規制の対象となります。製造者や店舗だけでなく、インターネット上のメディアも対象です。違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されます。
- 景品表示法
不当な表示に基づいて商品を購入したりサービスを受けたりすると、消費者が不利益をこうむります。これを防ぐため、景品表示法があります。景品表示法の目的は、消費者の利益を保護すること。商品・サービスの品質を偽って表示することを禁止し、過大な景品の提供を防ぐ内容が盛り込まれています。
実質以上の品質だと消費者に誤解させるような表現も、規制の対象となることがあります。景品表示法に違反した場合、消費者庁から事情聴取を受ける可能性があります。
- 化粧品等の適正広告ガイドライン
化粧品等の適正広告ガイドラインは、日本化粧品工業連合会が自主的に守るべき指針として定めたものです。しかし、薬機法や景品表示法のように法律でないからといって、守らなくていいというわけではありません。
もともと、薬機法の内容が難しいことから、厚生労働省が薬機法をかみ砕いた「医薬品等の適正広告基準」を作成しました。しかし、医薬品等の適正広告基準は医薬品の事例がメインで、化粧品に当てはめた場合の判断が難しいという問題がありました。
これを解決するため、日本化粧品工業連合会が化粧品等の適正広告ガイドラインを定めたのです。つまり、化粧品を販売する場合、このガイドラインを参考にすることで、薬機法に知らずに違反してしまうリスクを下げられるということです。
○宣伝文句やプロモーションのNG事例集
「商品をより魅力的に見せたい!」という気持ちが勝ちすぎて、つい目を引くような表現をしてしまうこともあるかもしれません。しかし、法律に違反すると、その後のネットショップ運営にも大きな支障をきたしてしまうことも。
「知らなかった」では許せないので、きちんと規制を理解したうえでネットショップ運営をすることが大切です。続いては、宣伝文句やプロモーションのNG事例を紹介します。
- 除菌グッズのNG事例
合理的な根拠がないにもかかわらず、ウイルス除去の効果をうたって除菌グッズを販売した場合、景品表示法違反となります。合理的な根拠とは、試験や調査によって得られた結果、専門家・専門家団体・専門機関の見解、学術文献などがある場合です。
- 化粧品のNG事例
「数種類のアミノ酸が配合された〇〇」という表現は、不正確なので、化粧品等の適正広告ガイドラインに違反します。「20種類のアミノ酸が配合された〇〇」など数字を具体的に記載する場合は、過度な強調表現になっていない限りは問題ありません。また、「数種類」と記載した時も、具体的な成分名を列挙する場合は、問題ないとされています。
○NG表現を避けるための3つの注意点
続いて、NG表現を避けるために注意したいことを3つまとめました。
- 断定表現に注意
「必ず」「絶対に」といった断定表現は、基本的にNGです。同じ商品を使用しても、効果には個人差があり、気候や体調など条件によって結果が変わります。必ずしも良い結果が出るわけではないので、断定表現は使わないよう心がけましょう。
- 効果・効能に注意
化粧品や医薬品の効果の範囲は定められています。定められた効果を超える効果があるように記載してしまうと、法律違反になる可能性があります。
- 数字に注意
合理的な根拠なしに、「日本でナンバーワン」「リピート率120%」といった表現をすると、法律違反になる可能性があります。数字を記載する時は特に、根拠を明確に示せるよう準備しておきましょう。
○まとめ
ネットショップ運営をするなら、宣伝文句やプロモーションの規制に関する知識は欠かせません。規制を理解したうえで、適切な宣伝文句・プロモーションをおこなうようにしましょう。