「売上が頭打ちなので優秀なEC店長が欲しい…」
「会社のECサイト店長が定着しない…」
ECサイトを運営していると、こんな経験は1度や2度ではないかと思います。
EC運営代行ディレクターの高橋です。
私はEC店長やネットショップのコンサルタントの採用面接を担当する機会が多い為、「実際の転職市場はどうなんだろう?」と意識するようになりました。
企業様のWebサイトのリクルートページや求人サイトを意識して見るようになったですが、私がEC運営支援事業で働き始めた8年前より、EC関係の求人は増えていると感じております。
日本のEC市場が伸びていることで、各企業様がEC事業に注力している為、優秀なEC店長は売り手市場です。
引く手数多の優秀なEC店長を採用する為に、面接で見誤ることのないようにしたいですよね。
本日は、100名ほど面接してきた私の経験を踏まえて、EC店長の求人で押さえるべきポイント5選をご紹介致します。
【目次】
- 採用の目的
- 年収
- キャリアプラン
- 経験、スキル
- 退職理由
- まとめ
1.採用の目的
「ECサイト店長」は、任される仕事が多岐に渡り、適性もそれぞれ異なります。
・Web制作
・Webマーケティング
・分析
・撮影
・商品登録
・受注処理
・出荷
・カスタマーサポート
・SNS
・ブログ
などなど、ざっと挙げてみただけでこれぐらいあります。
中小規模のECサイトであれば1名で全てやっているケースもありますし、大規模なECサイトであればこの中の1つだけを担当しているケースもあります。
私の採用面接の経験上ですが、前者の場合は「広い業務に対応が出来そう、自分で調べる自己解決能力がありそう」、後者の場合は「専門性が高そう、任された役割をきっちりこなしそう」という想像をします。
ざっくり2つのケースに分けてみましたが、これだけでも「何をやってもらいたいのか?」によってどちらを採用するかが変わってきます。
スキルやリソースも加味して、上長や部署のメンバーと擦り合わせる必要があります。
2.年収
今までの経験と、これから任せたい業務によって、年収は差異があります。
ざっくりですが、相場観としてはこれぐらいかと思います。
■マネジメントのポジション(部長、マネージャーなど)
500~800万円
■制作、マーケティング、運営を担うポジション(部下を持たない一般職)
350~500万
■運営スタッフ
時給制のアルバイト~350万
これが相場観になると思います。
採用枠への応募の意思決定には、業務内容、会社規模、福利厚生などを複合的に見て決めるかと思いますが、年収の項目は最も意思決定を左右する項目です。
「採用したら何を任せたいか?」に対して、適正な年収を提示しましょう。
3.キャリアプラン
「○年後、どうなっていたいか?」のキャリアプランを聞いておきましょう。
「実績を出して昇格して名前を売って独立して…」という上昇志向の方には、それ相応のポジションと環境を用意する必要があります。
どんどんEC事業を推進して欲しい場合はマッチしていると言えますが、1つの役割をしっかりこなして欲しい場合にはマッチせず、早々に退職されてしまうでしょう。
「任されたことをやります。」という方の場合、「上昇志向がないのかな?」と思ってしまう方もいらっしゃるかと思いますが、EC運営の場合はそれがハマる場合もあります。
EC運営の場合はルーティン的な業務が多く、オペレーションに定着する人材を探している時は、むしろ適正度が高いと言えます。
「結婚して家庭もあるので、バリキャリ志向はないけど、仕事はしたい」という主婦の方は、EC業界で活躍している方は多いですし、実際に私の部下にも居ました。
「採用側は何を任せたいのか?」と「応募者側は何をしていきたいのか?」のマッチングにズレがないようにしましょう。
4.経験、スキル
「今までどんな業務を経験してきて、どんなことが出来るのか?」
ECのお仕事は幅が広く、「こういう経験、スキルがある人材が欲しい」という採用側のニーズに対して、ピタリとハマる方から応募が来ることは、私の経験上あまりないです。
何か1つ足りず「惜しい!」ということが多かったです。
例えば店長職の場合、制作、マーケティング、分析、運営と、幅広い知識が要されるのですが、全てを持ち合わせた人材からの応募はあまりなかったように思います。
そうなると、あとはポテンシャル採用という要素も必要になってきますが、私の経験上では以下の要素を持った人材が活躍してくれることが多かったです。
■数字が得意
面接で「数字は得意ですか?」という聞き方をすると身構えられてしまうことが多いですが、EC運営は「何でも数字が見える」ことが面白みの1つだと思います。
仮に駅前で飲食店のビラ配りをした場合、○枚配って、○名のお客様が来店して、○円の売上になった、という成果を100%正確な数字を計測するのは無理ですよね。
ECサイトの場合は、○円の広告費で、○人のお客様がアクセスして、○件の注文が入って、○円の売上になった、という費用対効果を全て数字で見ることができます。
マーケティングや分析を担当する方には、特に必要な要素であると言えます。
■楽ができる方法を考える
与えられた仕事を1から10まで言われた通りにやることも大事ですが、それをずっと継続していても業務効率化に繋がりません。
ECサイト運営はルーティン的に発生する業務が多いので、「この業務を如何に効率化するか?」という観点で、楽をする方法を考えられる人が向いていると思います。
■実店舗での接客経験
実店舗の経験を持っている方は、お客様目線で物事を考えられますし、流通の考え方も理解しているので、ECサイト運営の業務への適正値が高いように思います。
実際にEC業界の著名人の方の経歴を見ると、実店舗での店頭接客の経験を持っている方が沢山いらっしゃることから、親和性が高いと思います。
■情報感度が高い
Webは日々トレンドやテクニックが変動するので、情報感度の高さが重要です。
例えばSNSは数年置きにトレンドが変わるので、そういった変化に対応する情報感度が必要です。
■成功体験と失敗体験が多い
成功体験があるということは、日々考えながら、主体的に仕事をしているように思います。
ECサイト担当者の採用なら「売上を上げる為に何をしてきましたか?」という質問に対して、成功体験が出てくればそれは魅力的です。
逆に失敗体験も、包み隠さずお話される方は自信もあるのだと思いますし、成功の裏には失敗があるのは当然だと思いますので、私は魅力に感じます。
■責任感と自己解決能力が高い
正解のないイレギュラーな業務や、任された仕事を自分で調べて考えて完結する、といった人材は重宝しました。
これは何のお仕事でも共通するかもしれませんね。(笑)
5.退職理由
ここまでご紹介したように、ECの業務は多岐に渡るので、コミュニケーションが重要です。
ECサイトを運営する際は役割分担をして運営することになるので、セクションごとのコミュニケーションは欠かせません。
例えばECサイトの販促でよく使われる「送料無料キャンペーン」を検討するにしても、店長、制作、マーケティング、カスタマーサポートの役割のメンバーとコミュニケーションを取り、共有して進行する必要があります。
退職理由が人間関係などの「コミュニケーション能力」に関する場合は、内容をよくヒアリングして見極める必要があります。
6.まとめ
「EC店長」というポイントに比重を置いて、今までの経験を踏まえてご紹介致しました。
当記事をご覧になっている方はECサイトの店長や担当者を探していらっしゃる方かと思いますが、良い人材は見つかりそうでしょうか?
優秀な人材を採用したければ、売り手市場でなかなか良い人材が見つからなくても、妥協することなく採用活動を続けていきましょう!
ここまで挙げた事例がご参考になれば幸いです。
もし採用活動が思い通りに進まない場合は、一度アウトソースを検討してみるのも良いかもしれません。