ネットショップが成果を出せる集客 リターゲティング広告とは
一度離脱した見込み客へ強力に再アプローチ!リターゲティング広告とは
「ネットショップの売上が上がらない…」
「広告の成果が悪くてコストが見合わない…」
そんな時にオススメの1つがリターゲティング広告です。サイトを訪問しているユーザーが配信対象となる広告の為、ネットショップと相性が良く、費用対効果的にも利益を出しやすい広告となります。
新規ユーザーへのアプローチは残念ながらできませんが、サイトを訪問しているユーザー(=ニーズがある程度顕在化されていると見込まれるユーザー)が配信対象となる広告の為、ネットショップと相性が良く、費用対効果的にも利益を出しやすい広告となります。
リターゲティング広告とは?
リターゲティング広告とは、サイトへ一度訪問し離脱した後も、ほかのブログやニュースなどでサイトの広告を出す手法です。よくアパレルのサイトを見た後に服や靴の写真がでてきたり、ブランドイメージのバナーがほかのブログで出てきたりする、アレです。
一般的に自社のサイトを訪れたことのある人に限定して、再訪を促すような広告を配信する広告手法の一つ。ネットショップを訪問したものの、商品購入に至らなかったユーザーをターゲットにした広告をさします。
近年、ビッグデータ活用やアドテクノロジーの進化により生まれた「リターゲティング広告」という新たな広告手法は、CVR向上に効果があるとして様々な企業が一斉に導入し注目を集めるようになりました。特に通販・EC企業が導入した場合に効果が高く、2014年にはEC向けのリターゲティング広告サービスが急速に普及しました。
リターゲティング広告はEコマースと相性が良いといわれています。
ネットショップの場合、あまり知らないECサイトで初めて商品を購入することは勇気がいります。多くの消費者はほしいモノをいくつかのサイトをまたがって比較検討し、価格、機能、デザインで一番気に入ったものを購入しようとするでしょう。例えば比較検討するバリエーションが多い靴、宝石・時計など高額な商品の場合にその傾向は顕著に表れます。
比較検討段階に入った消費者にもう一度商品をアピールするには、興味を呼び戻すリマインドが必要になります。そのため一度見た商品の画像を再度表示させることは非常に効果的といえ、それを実現できるのがリターゲティング広告です。
リターゲティング広告が効果的な理由
リターゲティング広告の効果が高い理由は主に2つあります。
(1)購買の可能性が高い顧客へしぼって配信するため
リターゲティング広告は、配信対象として「1.自社のサイトを訪問した人」と「2.自社のサイトを訪問した人に似ている人」の2通りを対象としています。興味がある人・興味を持ってくれる可能性が高い人に広告を配信するので、まったく興味を持っていない人へ広告が配信されることがなく、効率的といえます。
(2)ユーザーが接触する多くの媒体で広告配信するため
リターゲティング広告は、大手ポータルサイト、Facebookやブログなどユーザーが普段生活するうえで接触機会の多い媒体に広告配信を行います。一度ECサイトへ訪問し、商品に興味を持ったが購買に至らなかったユーザーへ商品を想起させサイトへ再訪させるのが目的のため、ユーザーへ広告配信するための接触機会が多ければ多いほど再訪の確率が高くなります。
主なリターゲティング広告サービス
「Google」
Google AdWordsの中で動的リマーケティング広告というサービスとして提供されています。
(Googleの「リマーケティング」は、「リターゲティング」と同意です。)
言わずと知れた世界的な大企業ですね。EC向けの広告としては、他にもアドワーズやGoogleショッピングなどもあります。
Googleのリマーケティング広告は、様々なクリエイティブでの配信ができます。
・静止画の「イメージ広告」を配信する
こちらのメリットは、(Googleのガイドラインに準拠していれば)任意のクリエイティブで広告を出稿することができます。ブランドのイメージ画像でクリエイティブを作成することで、自社のブランディングに忠実な広告配信が出来ますので、ブランドイメージの毀損を最小限に抑えることができます。
デメリットとしては、配信先の広告枠に合わせたサイズを作成する必要があることです。スマートフォン用のクリエイティブも併せると、2019年時点で最大20サイズほどの広告枠がございます。配信開始後も、シーズンごとにクリエイティブを変更したり、PDCAを回していくことを考慮すると、デザイナーのリソースが必須となり、クリエイティブのコストが高くなることが見込まれます。
・ロゴ、イメージ、文言を決めて自動リサイズされる「レスポンシブ広告」
上記のイメージ広告と、メリットとデメリットが正反対になります。
こちらのメリットはなんと言っても、楽なところです。自動でリサイズされるので、複数サイズのクリエイティブを用意する必要がなく、手間がかかりません。必要なスキルは画像のリサイズぐらいになるので、デザイナーのリソースが不要です。
デメリットとしては、ブランドイメージの毀損です。任意のデザインで出稿できるわけではないので、正直あまり見栄えの良いクリエイティブにならない場合もあります。ある日上司やクライアントに「なにこれ!ださいよ!」と指摘される可能性があるので、ブランディングに拘る場合は事前の承認を慎重に行っておく必要があります。
・Googleマーチャントセンターにフィードした商品データを表示する「動的リマーケティング広告」
こちらのメリットは、ユーザーが閲覧した商品ページの商品が広告に表示される為、購入に繋がる確度が高いことです。商品ページを閲覧しているということは、ユーザーがその商品に関心を持っている段階であると言えますので、広告に表示させることは効果的であると言えます。
実際の運用経験上、イメージ広告やレスポンシブ広告に比べて、動的リマーケティング広告の方がCPAを安く抑えられることが多いです。(※サイト、商品によって結果は異なります)
デメリットは、レスポンシブ広告と同様にブランドイメージの毀損です。商品データを広告で見せるという表現は、商売っ気が露骨な見え方の広告となります。
※こちらの広告は、事前にネットショップの商品データをGoogleマーチャントセンターにフィードして、Googleアドワーズと紐付けを行う必要があります。
また、Googleリマーケティング広告の特徴的な機能として、Googleアナリティクスと連携ができます。連携メリットとして、広告配信するリマーケティングの配信リストをGoogleアナリティクスでセグメントすることができます。
例えば「直近でリピート訪問したユーザーは購入確度が高い」という仮説を立てた場合は、「○日以内に○回以上サイトを訪問したユーザー」というリストを作成すること出来ます。
このように「LPに○○秒以上滞在したユーザー」「ショッピングカートのページを訪問したユーザー」といった任意のユーザーリストを作成して仮説検証が出来るので、PDCAが回しやすくなります。
「Yahoo!」
Yahoo!のリマーケティング広告を「サイトリターゲティング」と呼びます。
Yahoo! JAPANのトップページやニュースに画像を使ったバナー広告「YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)」を掲載でき、別途アカウントをリスティングとは別に開設する必要があります。
広告のクリエイティブは、上述(Googleリマーケティングの項)のイメージ広告と、レスポンシブ広告があります。
配信するユーザーリストは、「○日以内の訪問」程度の設定はできますが、Googleアナリティクスとの連携はできませんので、あまり細かい設定ができません。
少し話が逸れますが、検索キーワードに応じて、Yahoo!ニュースなどのコンテンツページを見ているときに広告を表示させる「サーチターゲティング」という広告がYDNにあります。
「競合ブランド名のキーワード」や「潜在的なニーズがありそうなキーワード」を検索したユーザーに対してバナー広告を表示させることができます。
リスティング広告と違い、「競合ブランド名のキーワード」で広告出稿していることが、競合ブランドにバレることがないことも魅力です。
YDNとスポンサードサーチはどう違うのでしょうか。
スポンサードサーチはユーザーが検索した検索結果のページにテキスト広告のみ表示させます。
一方でYDNは設定した条件に一致するユーザーがコンテンツページ(Yahoo!天気・災害、Yahoo!ニュースなど)を見ているときに広告を表示します。
スポンサードサーチは画像を使った広告の掲載ができませんが、YDNでは画像を使った広告が掲載可能です。
スポンサードサーチとYDNでは設定できるターゲティングが異なります。
デバイス、地域、曜日・時間帯・サイトリターゲティングは共通で、
YDNのみ設定できるターゲティングは共通項目にプラスして、
年齢、性別、サイトカテゴリー(特定カテゴリーに分類されているサイト)
サーチターゲティング(インターネットユーザーの検索履歴をもとにターゲティング)、
プレイスメントターゲティング(広告を配信する、ウエブサイトを指定)
インタレストカテゴリー(特定カテゴリーに興味をもつユーザー)
が追加できます。
「Criteo(クリテオ)」
パフォーマンスディスプレイ広告という名称でリターゲティング広告が提供されています。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、フランスで起業し、現在はアメリカに本社があるインターネット広告の企業です。
「楽天」
楽天オーディエンス広告商品、楽天DSP広告商品などの名称でサービスが提供されています。広告サービスが非常に豊富で提供価格帯やサービス概要もPDFで公開されています、一見の価値ありです。
「LINE」
コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」ユーザーに広告を配信するLINE Ads Platformは
LINEのNEWS、タイムライン、マンガ、ブログ、スマートチャンネル、トークリストに掲載することができます。
配信対象はユーザーが登録した情報やスタンプ購入履歴、LINE公式アカウントやLINE@の友だち登録履歴などをもとに分類しています。
LINEの国内の月間アクティブユーザー数は、2019年時点で月間7,900万人(Twitterは4500万人、Facebookは2800万人)といわれ、
アクティブ率が高いことが特徴です。開発スピードが速く今後も広告配信機能が充実していくでしょう。
「Vizury(ヴィズリー)」
IT大国でもあるインド発のインターネット広告企業のビズリーです。日本ではまだこれからサービス展開の拡充が期待されます。
リターゲティング広告の導入方法
ECサイトにリターゲティング広告を導入する場合、利用方法や費用・導入条件は広告サービスの提供企業によって大きく異なります。
ネットショップASPの場合
ASP業者が提供しているサービスの中にリターゲティング広告を簡単に導入できるメニューを提供している場合があります。ASP業者によって対応・非対応が分かれますので、ご利用のサービスに問い合わせてみてください。
1.「makeshop(メイクショップ)」
makeshopが提供しているクリック課金型広告掲載サービス「アイポクリック」へ申込むことで利用可能になります。
「アイポクリック」はCriteo社、Vizury社のサービスに対応しており、初期費用・月額費用0円で利用できるのでお試しで気軽に始めることができます。
2.自社開発したECサイトの場合
主にインターネット広告代理店やWEB制作会社経由での利用となります。
いきなり広告代理店を通してというのは費用面や決済面で難しい場合もあると思いますので、あらかじめ広告費用の上限を設定することができる、先に入金しておく(想定外の請求が発生しづらい)形でサービスが提供されているGoogle AdWordsの動的リマーケティング広告からはじめてみてはいかがでしょうか?
参考サイト
リマーケティングの設定ガイド(GoogleAdWordsヘルプ)
さいごに
ここまでリターゲティング広告の説明を聞くと「効果も高く、ECとの親和性もある!万能じゃないか!」と思われる方もいらっしゃると思います。しかしリターゲティング広告を導入する上で、一点気をつけていただきたいことがあります。
それは「サイトを訪問したことがある人・興味を持ちそうな人」に広告配信し購買を促すのが目的のため、見込み客やリピーターに購買を促すのには優秀なのですが、まったくの新規開拓や幅広く知名度を上げることには向いていません。
ネットショップを立ち上げたばかりでまだ訪問者が少ないようなショップの場合は、新規訪問を増やすことが優先です。新規客獲得に効果的なリスティング広告やアフィリエイト広告、SNS広告などを掛け合わせながら運用していくと良いでしょう。