みなさま、こんにちは。
EC運営代行のディレクター堀内です。
「ECサイトの売上が上がらない…」
「ECサイトの担当者が居ない…」
そんな時に検討されるのがECサイトの運営代行サービスですが、「何をやってくれるの?」という部分が見えづらいかと思います。
サービス提供している会社様によっても、業務委託範囲が異なったり、得意な範囲が異なったり、かなりわかりづらいサービスかと思います。
そんな方の為に、今回は運営代行を行うチームが、クライアントよりどのような業務委託を受け、私達はどのような業務を行っているのかご紹介いたします。
EC運営代行と一言でいっても、クライアントによって業務委託を受ける範囲がそれぞれ異なります。
理由として、ECサイトの運営には「制作」「集客」「撮影」「カスタマーサポート」「出荷」などなど、幅広い業務があり、必要な知識や経験、人の適正も異なります。
その為、クライアントが「ECサイトの制作、プロモーション、運営など、テクニカルなことが出来ない」という場合はフルフィルメントで丸ごと業務委託を受けますし、「制作、集客、分析などテクニカルな部分だけできない」という場合は、部分的に業務委託を受ける場合もございます。
事例として、弊社でEC運営代行を承っているA社様 B社様 C社様の業務委託内容を、一覧表にまとめてみました。
|
A社様 |
B社様 |
C社様 |
カスタマーサポート |
○ |
× |
× |
受注・出荷倉庫オペレーション |
○ |
× |
× |
在庫管理 |
○ |
× |
× |
商品登録 |
○ |
○ |
× |
撮影 |
○ |
× |
× |
採寸 |
○ |
× |
× |
原稿 |
× |
× |
× |
バナーの変更やカテゴリーページの作成などの制作業務 |
○ |
○ |
○ |
コンテンツページのライティング業務 |
○ |
× |
○ |
リスティング広告運用 |
○ |
○ |
× |
メルマガ作成 |
○ |
○ |
× |
WEBカタログ制作 |
○ |
× |
× |
レポーティング作成 |
○ |
○ |
○ |
月次定例会 |
○ |
○ |
× |
A社様の事例
丸ごと業務委託を承っているケースです。
ディレクターがクライアントの窓口に立って、日々の運用を回していきます。
必要に応じて、制作、コンサルタント、カスタマーサポート、倉庫など、運営スキームを組んで業務を分配していきます。
クライアントは丸ごと運営代行を業務委託することによって、
・商品開発やブランディングなど、自社のやるべき業務に集中をすることができる
・ノウハウ、リソースがなくてもECサイトの運営ができる
といったメリットを得ることができます。
ECサイトに限ったことではございませんが、小売の基本は商品力です。
デザイン、品質、価格など、優れたポイントがないとお客様に買って頂くことはできません。
商品に優れたポイントがあっても、ブランディングができていないとお客様に買って頂くことはできません。
商品開発やブランディングを担当されている方がECサイト運営に時間を取られてしまうと、本質的な部分に注力できず、本末転倒なことになりかねません。
ECサイト運営は業務委託、商品開発やブランディングは自社と、それぞれスペシャリストが担当することで効率よく売り上げを伸ばしていくことができます。
また、業務委託を承る私たちも丸ごと業務を代行しているため、分析レポート作成や受注処理を通じて商品トレンドが見えたり、カスタマーサポートでお客様のリアルな声を拾えたり、より商材への理解が深まります。
B社様の事例
商品登録、サイト更新、集客、レポーティングと、テクニカルな部分を中心にEC運営業務の一部を承っているケースです。
受注処理や出荷など、自社でルーティン的な運用業務は回せるが、HTMLを編集してサイトを更新したり、リスティング広告の運用はできない、ということがクライアントの課題でした。
こちらのケースの場合は、「クライアントが持っている体制でも部分的には業務の対応ができる」という環境が整っている為、成立する運営代行スキームとなります。
具体的には、B社様の場合は以下のような条件が整っておりました。
- 自社で受注処理、出荷、CSに対応できる
- 商品画像やバナー素材などの撮影ができる
- バナーデザインやHTMLメルマガのデザインのみできる
ECサイトを運営していると、売上増加に比例して業務過多になったり、ECサイト担当者やデザイナーの退職などは、ECサイト運営においてありがちなことです。
そういった場合に、弊社が業務範囲を追加して、臨機応変に承ることがあります。
これはクライアントに、1つメリットとして感じて頂いている部分です。
C社様の事例
B社様と近しいですが、社内での運用体制が整っており、制作とコンサルティングの一部のテクニカルな部分をお願いしたいというクライアントに当てはまるのが、こちらのケースです。
季節性が強い商材のクライアント様ですが、季節毎に移りゆく課題をしっかりヒアリングして拾い上げることによって、売上アップの近道をサポートしております。
主な仕事内容としては、専任のディレクターが課題解決の為の施策のご提案から、クライアントの予算に応じて実作業まで行っております。
どんなお悩みを抱えた企業様がEC運営代行をご検討されるのか?
ECサイトの運営代行やコンサルティングをご検討されている企業様へ訪問すると、こんなお声を耳にします。
「年間販促企画や新商品の開発に追われ、デジタルマーケができていない」
「実店舗が忙しくてなかなかECサイトの運営ができない」
「ほかの業務に追われてECサイトの集客に苦戦している」
「ECサイトの売上が年々下がってきた」
大企業様はECのチームを体制として作られている会社様が多いですが、中小企業様はECサイト担当者様が営業やプレスと兼任されており、なかなかECサイトに注力できない方が多いようです。
しかしながら、経営者からは
「売上を伸ばしてくれ!」
「EC市場が伸びているのに、なんで売上が上がってないんだ?」
とプレッシャーをかけられ、お困りのECサイト担当者様が多いように見受けられます。
「せめてリソースをECサイト運営に集中させてくれれば、売上げアップの為にやるべきことができるのに!」というジレンマを持たれている方もいらっしゃいます。
このようなお声を聞くと、お悩みのパターンとしてはざっくり2つにわけられます。
「売上が思うように上がらない…」
「リソースが足りない…」
アパレル業界のEC化率は2015年9.04%から2016年10.93%と順調に伸びている一方で、現場ではECサイトのシェアを奪い合う競争が激化しています。
(経済産業省2017年4月発表「平成28年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より)
アパレル業界のECサイトを取り巻く環境は、なかなか片手間で月商数百万まで売り上げを上げるほど甘い世界ではなくなりました。
そこで、アパレル企業様はECサイトの運営代行を専門業者に外注委託し、本業に注力するパターンが増えてきました。
もし、アパレル企業様がECサイトの運営代行を頼む際は、なにをポイントに選んだらいいのでしょうか。9つのポイントをまとめてみました。
ECサイト運営代行会社をサービス比較する時のポイント9選
- ECサイトの運営経験が豊富か
- ECサイトの戦略立案が構築できるか
- Google、Yahoo!の検索対策について知識はあるか
- リスティング広告の運用経験は豊富か
- 最新のSNS事情(instagram、facebook、twitter、LINE、tiktok、etc)について詳しいか
- 購買に影響があるインフルエンサーとつながりがあるか
- 商品撮影、商品在庫管理、受発注管理、顧客対応などワンストップで任せられるか
- アパレルブランドの世界観を理解したうえでECサイトのデザインができるか
- 費用は固定型か成果報酬か
1.ECサイトの運営経験が豊富か
アパレルのECサイトの運営代行を依頼される際は、「売上」と「ブランディング」のバランス感を気にされる企業様が多いように思います。
「売上」は上げたいけど、「ブランディング」は崩したくない
「ブランディング」を追うと、「売上」を追いづらい
という状況の中、運営代行会社はその絶妙なバランス感を汲み取り、運営を行う必要があります。
「一緒に自社の商品を売っていく」という目的の元でパートナーを選ぶ以上、自社のブランドや商品を理解をしてもらえるのか?という観点は、非常に重要です。
運営代行だと「ブランドの世界観が崩れないか?」ということを心配されるアパレル企業様は実際に多いです。
運営経験が豊富だと、「アパレル企業様がどういう点を気にされるか?」を理解しているので、サイトデザインや商品写真でも、しっかりとブランドの世界観を保つことができます。
また、アパレル業界の基本的なルールや流れを把握していることも大きなメリットです。
商品の生産~納品、セール時期、在庫の持ち方など、基本的なことを理解している会社の場合、運営代行を依頼する際に話が通じやすく、コミュニケーションが取りやすいです。
2.ECサイトの戦略立案が構築できるか
ECサイトも店舗と同様で、売上を上げていく為に、戦略立案を立てる必要があります。
ターゲットとなるペルソナ、カスタマージャーニーを設計し、それを元にサイトのデザインや、集客施策に落とし込んでいきます。
わざわざ細かく面倒な作業に落とし込んでいるように思われがちですが、実際に設計しようとすると、意外と出来ていない企業様も多いように見受けられます。
特にアパレル企業様は「感覚」という要素が少なからず入ってくるので、あまり細かい設計はできていないことが多いように思います。
最初にペルソナ、カスタマージャーニーを設計しておけば、デザインや集客施策の落とし込みがスムーズになります。
例えばサイト制作を行う際に、
クライアント「このデザインは違いますね。」
デザイナー「ではどういったデザインをご要望でしょうか?」
クライアント「うーん。取り敢えずもっとカッコ良くしたいです。」
デザイナー「カッコ良くとは、どういった部分でしょうか?」
クライアント「うーん。どの部分と言われてもわからないのですが…」
というのは制作現場ではあるあるな問答ですが、これはつまりゴールが作れていない状況と言えます。
最初にしっかりとペルソナ、カスタマージャーニー設計を行い、「どんなユーザーが、どんなシーンでこのサイトを使うのか?」ということが明確になっていれば、それがデザインの指針となり意思決定もスムーズで、サイト制作で迷走することがなくなります。
集客施策の立案についても同様で、例えばWeb広告やSNS広告は年齢層や性別、住まいや興味を、媒体となるメディアをセグメントして配信することができるので、認知を目的とする広告配信時にはペルソナ設計が非常に重要となります。
3.Google、Yahoo!の検索対策について知識はあるか
Web広告やSNSなど、様々な集客導線がございますが、今でも最も重要な導線の1つは「検索」です。
想像してみればおわかりになるかと思いますが、基本的にWebは検索行動から始まるものです。
渋谷でランチのお店を探すときには、「渋谷 ランチ」で検索されて、検索結果の上位に表示されるサイトを閲覧されるかと思います。
つまり狙ったキーワードで検索結果の上位に出てこないと、検索エンジンからの導線が作れていないことになり、せっかく作ったサイトへの流入が見込めません。
集客したいキーワードをしっかりと選定し、上位表示されるように対策を行う必要があります。
4.リスティング広告の運用経験は豊富か
3に関連した内容になりますが、集客したいキーワードで検索しても、検索エンジンに上位表示されない場合は、リスティング広告を打つと即時集客ができます。
「このキーワードで集客できれば、売上が見込めるのでは?」というキーワードの仮説検証にもリスティング広告は有効です。
好きな検索キーワードで集客できる魔法のような広告ですが、集客キーワードを増やして集客数が増えたからと言って、売上も比例して伸びるほどECサイトは甘くはありません。
「集客数ばかりを追って、広告費を使い、実際の売上に結びつかない」ということにならないように、適切な広告費と売上を考えて運用を行う必要があります。
5.最新のSNS事情(Instagram、Facebook、Twitter、LINE、tiktok、etc)について詳しいか
Twitter、Facebook、Instagramなどの普及により、SNSもECサイトでの有力な集客導線になっております。
Instagramでの集客を活用してECサイトの月商が何百万というお話も最近ではよく耳にします。
今ではアパレル、化粧品、食品あたりの商材は、Instagramでの集客が非常に盛り上がっており、弊社のクライアントでもInstagramの集客で成功事例を作られた企業様もいらっしゃいます。
ご興味があれば、ぜひこちらの記事も読んでみてください。
Instagramでの集客で売上を20倍以上に伸ばした事例となります。
インスタグラム集客でECサイトの売上が20倍以上に!創業40年下着メーカーの新たな挑戦
6.購買に影響があるインフルエンサーとつながりがあるか
これは少しハードルが高いかもしれませんが、一応確認しておく価値はあるかと思います。
知見が何もないと、インフルエンサーを使ったマーケティングを検討する際に、インフルエンサーの調査~コンタクトを取るまでに膨大な手間がかかってしまいます。
弊社ではファッションに強いインスタグラマーの方と共同で、ECサイトだけではなく、リアル店舗と連動したイベント事例がございます。
ポップアップストア×インスタグラマーでリアル店舗への集客支援!AG jeans様のイベント事例
また、インフルエンサーマーケティングに対して知見がある会社様ともお付き合いがございます。
インスタグラムのアカウント運用、インフルエンサーマーケティングなどの施策を行うことができます。
先日はGMOメイクショップと共催でセミナーを開催し、セミナー後のアンケートではご参加いただいた方の96%が満足と回答、うれしいお言葉をいただきました。
インスタグラム集客のセミナー【女性向け商材の店長様限定】を開催しました
7.商品撮影、商品在庫管理、受発注管理、顧客対応などワンストップで任せられるか
ECサイトの運営支援やコンサルティング事業を行っている会社様は多くいらっしゃいますが、ささげや受注処理まで対応しており、尚且経験豊富な会社様の数は限られております。
ささげや受注処理など、ルーティン的に発生する業務が自社の体制で処理できない場合は、運営代行会社が対応できるのか事前に確認しておきましょう。
8.アパレルブランドの世界観を理解したうえでECサイトのデザインができるか
1、2の内容と少し重複致しますが、ブランドの世界観をECサイトのデザインに落とし込むことは、非常に重要です。
メイクショップを始め、ECサイトを作るためのカートシステムには最低限のデザインテンプレートが用意されていることが多いです。
これは誰でも簡単にECサイトを始められるように、用意されているものです。
テンプレートを使えば簡単にECサイトが開業できますが、これはあくまでテンプレートなので、ブランドの世界観を表現しているとは言い難いサイトになるかと思います。
制作会社に発注してECサイトを作ると、50~100万円ぐらいは最低でも必要となってしまいますが、投資金額を抑えるためにブランドの世界観が表現できないのは、ブランドのファンの方もがっかりしてしまいますし、勿体無いことです。
ファンの方に喜んで使い続けて頂くECサイトにする為に、アパレルブランドの世界観をしっかりと表現したデザインのECサイトにしましょう。
9.費用は固定費用型か成果報酬型か
これは売上規模と考え方によりますが、成果報酬の場合はリスクを最低限に抑えることができるので、運営代行会社に業務委託しやすい費用体型です。
成果報酬型の方が、運営代行会社も売上にコミットする必要性がより高くなるので、お互い結果を出そうというお取り組みができるでしょう。
固定費用型の場合は、受注処理や出荷など、あまり売上に関連しない固定作業の部分を業務委託する場合に多い費用体型になります。
ECサイトの運営代行を依頼する際、どの業務に注力して成果をあげてほしいか、明確にしましょう。
アパレルが得意な企業、SEOに得意な企業、広告が得意な企業、デザインが得意な企業、ブランディングが得意な企業など、会社によって強みが異なります。複数の企業に問い合わせ、比較検討してみてください。
費用は成果報酬型をおすすめします。アパレル企業様とECサイト運営代行会社が運命共同体となるのでお互い成果を出そうと協力関係を築けます。
EC運営を委託するメリット
ECサイト運営を外注委託するメリットは3つあります。
- 「餅は餅屋」で、ECサイト運営が得意な会社に業務委託し、アパレル企業様は新商品の開発や販促企画、プレス、営業などに注力できる
- 定期的なレポーティングで自社にノウハウがたまり、徐々に自社でも対応できる体制の準備ができる
- 売上が上がる
ECサイトの運営は商品撮影、戦略立案、リスティング広告、SNS運用、Webデザイン制作、商品管理、受発注管理、顧客対応と奥が深く、各分野で専門知識が必要です。
「若手のスタッフが多く、デジタルマーケティングのノウハウが薄い」
「新商品の開発に注力したい」
「ブランディングを保ちながらECサイトの売上をあげたい」
といったアパレル企業様は、ぜひECサイトの運営代行をご検討頂ければと思います。