2020年は全世界的にコロナウイルス(COVID-19)の蔓延により、3密を避けた生活を余儀なくされました。それはビジネスや商取引の現場にも大きな影響を与えただけでなく、実店舗での営業も時短や休業を求められ、多くの小売店で売上の激減が報じられています。
逆に、ウェブを介して購入できるネットショップ(ECサイト)は、コロナ禍で利用が推奨され、実際に購入した人も多いのではないでしょうか。ここでは、ネットショップの近年の動向を見ていきましょう。
目次:
伸び続けるEC市場
物販系分野も大幅な伸び!
コロナ禍でどうなる? EC分野の成長予想
ネットショップをはじめるなら今?
まとめ
○伸び続けるEC市場
ネットショップの売上がどれくらい伸びているのか? その参考になるのが、経済産業省が発表している「電子商取引に関する市場調査」です。
今年7月22日に最新版がリリースされ、そこで公表されたデータを見ると、B to C-ECの市場規模は、2018年の18兆円から7.65%伸び、19.4兆円となりました。
企業間の電子商取引においても(B to B-EC)、市場規模は344.0兆円から、353.0兆円へと、2.5%増となっています。商取引全体の電子化が進んでいる現状がうかがえます。
○物販系分野のEC市場も大幅な伸び!
ネットショップは、EC市場における物販系分野にカテゴライズされます(ほかには、サービス分野、デジタル系分野など)。衣類や雑貨・食品・家電や周辺機器など、ウェブ上でデータではなく実在する商品の物販をおこなうサービス全般を指します。
2018年度は9兆2992億円であったのが、2019年には10兆515億円と8.09%伸び、ついに10兆円規模に到達しました。全体の市場におけるEC化率も、6.22%から6.76%へと増加し、物品の購入においてECを選択肢に入れる人が確実に増えているのが理解できます。
●C to C-EC分野も大きな伸びを記録!
C to Cとは、企業を挟まず個人間で取引をする分野のことです。
2018年には1兆5891億円だったのが、2019年には、1兆7407億円へと9.5%程度伸びています。これは、ヤフオク!やメルカリといったサービスの隆盛によるもので、配送や決済も含めて利便性が高められたことが大きな理由といえるでしょう。
ネットショップを含む物販系EC市場との規模の差はおよそ1/10ですが、もはや無視できないレベルで活用が広がっていることをうかがわせます。
○コロナ禍でどうなる? EC分野の成長予想
2020年度の具体的な数字はまだ出ていませんが、落ち込みが確実視される実店舗での販売に比べ、電子商取引(物販系EC分野)が成長を維持するでしょう。
実店舗での購入が難しいご時世にあって、市場規模全体では縮小の可能性がありますが、EC市場への大幅な流入が起きていることが予想されます。
コロナ禍による影響は2021年以降も続くことが予想されますから、企業側もネットでの販売体制をさらに強化する機運が広がるのではないでしょうか。
○ネットショップをはじめるなら今?
ネットショップ運営に乗り出したい、もしくは運営を強化したいと考えているのであれば、今おこなうべきといえます。
たとえば本業にテレワークが導入された方であれば、なくなった出退勤の時間をネットショップ運営に割くことができます。それは消費者も同様で、ネットに触れる時間が増えることを意味しています。
売りたい商品や方針が固まっている場合は、この機会にネットショップ運営に乗り出しましょう。
○まとめ
ここ数年のEC市場動向を見る限り、多少の鈍化はあるものの、EC市場は成長分野であることは間違いありません。今年はさらにコロナ禍が直撃したことで、経済を動かす重要な社会基盤としての価値は飛躍的に高まりました。
もちろん、実店舗とEC市場の双方共に成長するのが健全ではありますが、ネットショップを含め、電子商取引はビジネス全般においてもはや外せないシステムになったといえるのです。